仮想通貨のスケーラビリティ問題とその解決法とは?

scalability problem and solution

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ビットコインが誕生して今年で9年目になります。

現在では仮想通貨市場の規模は45兆円にも登り、経済産業省によるとブロックチェーンに関連した事業の規模は67兆円まで加速すると予想されています。

この破格の数字からも、仮想通貨市場が今後の経済活動に大きな影響を与えるのは明らかでしょう。

この10年にも満たない市場が急速に成長を遂げ、様々な問題も浮上してきました。

それは仮想通貨のスケーラビリティ問題です。

そもそもスケーラビリティって?あまり聞いたことがない方もいると思いますが、市場全体に関わる重大な問題です。

今後の仮想通貨市場に影響を及ぼすスケーラビリティ問題について紹介します。

人気の仮想通貨が直面するスケーラビリティ問題とは?

スケーラビリティとは、コンピューターにおける小規模なものからリソース(動作の実行に必要な処理をする)の追加によって大規模なものへと拡張できる能力のことです。

仮想通貨業界では取引量の増加に従い、全体のスループットを向上していける能力があるのかという場面でスケーラビリティがよく使われています。

ビットコインでは取引の情報を1MBの容量のブロックにまとめ、記録としてブロックチェーン上に残します。

このあらかじめ決められたブロックサイズに取引が集中した場合、処理が追いつかず取引完了までの時間がかかってしまいます。

さらにはマイナーは報酬の高いものから優先して承認していくので、結果的にはユーザーは決済まで時間がかかる上に高い手数料まで支払うことになります。

これはビットコインを決済として実用化する上で、ブロックチェーン技術を採用する利便性が失われるため深刻な問題す。

スケーラビリティ問題とは取引量が増え、取引処理の遅延でどんどんマイナーに支払う手数料が値上がりしていくという負のサイクルに陥ってしまうことを指します。

これはビットコインにだけにあてはまるわけではありません。

人気のある通貨が直面する問題で、時価総額がビットコインに次ぐ第2位のポジションをもつイーサリアムも同じ現象がおきています。

ビットコインの抱えるスケーラビリティ問題

ビットコインの抱えるスケーラビリティ問題を理解するために、先ほどのブロックサイズについて焦点をあててみましょう。

ブロックチェーン上で取引データを記録できる容量がひとつのブロックに1MBと決まっています。

1MBに収まらない大きなデータは無効としてネットワークから自動的にいったん除外されてしまい、最後のブロックが生成されてからブロックチェーン上の処理が完了する仕組みが取引の遅延を引き起こしています。

ビットコインでは1MB と制限されたブロックにおいて、どのように規模を拡大していくのかという論争が開発者とマイナーの間で根強くあります。

イーサリアムの抱えるスケーラビリティ問題

イーサリアムの抱えるスケーラビリティ問題は、ユーザー数の増加に伴うネットワーク全体のノードの検証作業が処理能力を低下させています。

イーサリアムはスマートコントラクトを採用しているため、トランザクションが実行されるごとに取引情報データが変化していくため、ネットワーク全体でそれぞれのノードが検証作業をしています。

現在ではこのノードを役割分担して、効率良く検証作業を並列処理しようという動きがあります。

個々のノードのトランザクションの検証作業を減らして、ネットワーク全体のスループットを向上させることでスケーラビリティ問題に有効であると考えられています。

スケーラビリティ問題の解決法のひとつ・マイクロペイメントとは?

現在起きているスケーラビリティ問題に対して、私達ユーザーができることはマイナー達の報酬を高めに設定することしか
できません。

この状況が続くと高性能のリソースを持つマイニング企業のみに報酬が集中し、個人のスペックではネットワークに参加することが難しくなります。

次第にネットワークの分散化が妨げられ従来の中央集権化に進む恐れがあり、本来のブロックチェーンのあるべき姿ではありません。

そこで解決案としてマイクロペイメント(少額決済)をターゲットにした技術に、注目が集まりました。

マイクロペイメントとブロックチェーンのスケーラビリティ問題にどのような関係性があるのでしょうか?

それはペイメントチャネルという支払い専用のチャンネルでP2P(仲介者がいない二者間の取引)の送金にかかる時間と手数料を抑えて決済できる仕組みがあるからです。

マイクロペイメントは少額の取引を複数回行うことで発生する手数料を削減するため、二者間の間で行われた取引の最終結果だけを明らかにできれば問題なく利用できます。

ブロックチェーンではたとえ少額の決済だとしても1回ごとの取引に記録を残していくため、その度に時間と手数料が必要になります。

ペイメントチャネルの仕組みを実際にブロックチェーンにあてはめた例でさらに詳しくみてみましょう。

ビットコインの解決法 ライトニングネットワークとは?

ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するために、ブロックチェーンに記録するデータを減らすことが最善策です。

ペイメントチャネルの仕組みを利用してオフチェーンで複数回の取引を行い、重要な取引結果をひとつにまとめてブロック
チェーン上に記録することができるのがライトニングネットワークです。

通常ブロックチェーン上で送金が行われると取引データが記録として残り、存在証明や決済が完了します。

オフチェーンではその通常行われる一連の取引をブロックチェーンの外でも行おうとする技術で、ブロックチェーンとオフ
チェーンを繋ぐことでデータのやりとりを可能にしています。

取引の経過は記録されず最終的な結果のみをメインであるブロックチェーンに残すため、容量の定められたブロックに記録
されるデータを減らすことができるのです。

これによってブロックチェーン全体のトランザクションの処理能力を高めることが可能です。

ペイメントチャネルでは二者間のみの取引に対応していますが、ライトニングネットワークでは複数人の間でもオフチェーンで取引経過をまとめて記録することが可能です。

ただ複数間で行う場合、ペイメントチャネルで繋がっているユーザーならば誰でも送金が可能という状況に電子署名データ
の改ざんが懸念されてきました。

そこでSegwit という技術を組み合わせて、電子署名データを分離して格納する試みが始まっています。

イーサリアムの解決法 ライデンネットワークとは?

ライデンネットワークとは、イーサリアムのプラットホームで利用されるETHや*ERC20トークンの送金をオフチェーンで行うスケーラビリティ解決策のひとつです。

このネットワークに参加するユーザーはあらかじめトークンを預けておき、預けた金額を越えない範囲であれば無制限に複数回の取引を繰り返すことができます。

ライデンネットワークはマイクロペイメントをターゲットにしていて、カード決済を上回る処理速度を期待されています。

しかし本質的なスケーラビリティ問題の解決として、イーサリアムにはビットコインよりも難しい点があります。

イーサリアムの場合はdapps の普及も視野に入れる必要があり、イーサリアム上で動くdapps の複雑なトランザクション処理が必要な場合の疑問が残るでしょう。

そこでトランザクションの高速化を目指したプラズマという技術も並行して開発されています。

プラズマは階層構造をもつメインチェーンと異なるブロックチェーンを構築し、部分的にチェーン同士を同期させる技術でまだ実装を公開されていません。

ビットコインとイーサリアムのスケーラビリティ問題は状況的に似ていて、解決を早急に求められています。

両者の解決の糸口はそれぞれ異なり、今後の改善状況によって価格に影響することが予想されます。

*ERC20はEthereum Reguest for Comment(イーサリアムの技術・仕様や運用規則を定めた文書)の略で、その20番目になります。トークンを一元化できることでウォレット内で一括管理でき、ICOなどでよく利用される規格。

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